コニャック滞在記2019年 冬

コニャック滞在記㉑:ABK6の全てを語ろう(4) 樽メーカーに潜入!そして蒸留体験と猫

2020年2月6日

滞在8日目
2019年12月10日(火)

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ABK6の全てを語ろう(3) マスターブレンダーとの貴重な2時間対話と10分で作ったオリジナルブレンドコニャック

BAK6コニャックの記事が長すぎるので、今回はサクッと書いて参ります(笑)でも写真は50枚くらいあります。

昨日に引き続き、ABK6コニャック訪問2日目です。

この日は朝8時半から車で移動し、午前中はABK6が使用している樽メーカーの見学に向かいました。

ABK6の樽メーカーは主に2社

ABK6およびLEYRAT、REVISEURといったDOMAINES FRANCIS ABECASSIS(ドメーヌ・フランシス・アベカシス) では主に2社の樽メーカーで作られる樽を使用しています。

VICARDとAllaryというコニャックの樽作りでは有名どころの2社で、多くのコニャック生産者が使用しています。

本日はそのうちの後者Allaryの樽製造現場を見学に向かいました。
Allary HP

アルシアック(Archiac)というコニャック市街地からは少し離れた場所にあります。

実は樽の製造所内は一部を除いて写真撮影NGでしたのであまり写真がありません。

また、翌日にクルボアジェの伊藤さんと別の樽メーカーを回らせてもらい、そちらでもめちゃめちゃ詳しく話が聞けたので、樽メーカーや樽の製造に関してはまたこことは別記事にてまとめたいと思います。多分樽の話だけで数記事分になってしまうボリュームなので・・・。

ということで少しの写真でのダイジェストレポートです。

あと、とにかく製造所の中は音が凄い。機械音やら樽をたたく音やら・・・。耳栓してないと一日ここで作業してたら耳がおかしくなりそうです。

ABK6プティットシャンパーニュエリアに移動

これまでの記事でも書いたように、ABK6コニャックはファンボア、プティットシャンパーニュ、グランドシャンパーニュ地区のそれぞれ自社畑があり、各地域ごとに蒸留所と熟成庫を保有しています。テロワールごとの環境を活かしたコニャック作りを行うためです。

この日の前半はプティットシャンパーニュの地域に向かいます。

場所は Maine Drilhon in Barret という所。

ここでは主にDOMAINES FRANCIS ABECASSISのブランドの一つでプティットシャンパーニュがメインのREVISEURのコニャックに使用される原酒が多く作られています。ABK6コニャックのブレンドに使用されるプティットシャンパーニュの原酒もこちらで作られます。

カントリーロードな畑

ABK6のプティットシャンパーニュエリアの畑はこんな感じ。

この一本道を見ているとやけにノスタルジーな気分になり「カントリーロード」を口ずさみたくなります。

コンクリートタイプの発酵タンク

ABK6ファンボアエリアのワイン発酵タンクは最新式のステンレス製でしたが、こちらのプティットシャンパーニュエリアで使用されているのは少し古いタイプのコンクリート製。

屋外と屋内にあります。

ファンボアエリアの発酵タンクのようにあまり細かい温度調整は効かないので、イースト菌の種類や管理には結構気を遣うそう。

オリーブ型のシャラント式単式蒸留器2つ

このエリアで使用されているのは蒸留器は2基。ワインを熱して上記をためる部分が細いオリーブ型のヤツです。

両方とも50年ほど前に作られた蒸留器です。

こちらも現在ちょうど蒸留真っ最中。

窯の中。直火でワインを焚きます。

なお、ここの蒸留責任者は2名。そのうち一人は20代の若い女性!蒸留担当歴4年目だそうです。

彼女がコニャックの未来を背負っています!

蒸留器の上にも登らせてもらえたので、珍しい蒸留器の上からみた写真たちです。

超重要任務!?ボンヌショーフのカットを任される

ここで彼らからの提案で、何と私にボンヌショーフのカットをやらせてもらえることに!

つまり、実際にコニャックとして熟成に進むCoeur(heart)の部分と、再度蒸留に回すSecondの部分を切り分ける作業です。

※↓の図でいう⑦と⑧の切り替え作業(クリックで拡大)

こちらはABK6ファンボア地区蒸留所の蒸留プロセス

しかもその切り替えタイミングの判断は私に任せると・・・・

いいのかマジで!??全くのド素人ですが。

いや、もちろんお二人の蒸留責任者の監督付きですが。

頼りになるのは自分の鼻と舌、そして目です。

およその切り替えタイミングは計算して算出できるので、その中で細かい変化を感じながら適切なタイミングを判断し切り替えていきます。

まずは1機目の蒸留器で彼女のお手本を見せてもらいます。

流れてくる蒸留液を何度かグラスに入れ、香りを嗅いでいきます。

そして数分後、彼女はいいました。

「うん、今Secondに変わったから切り替えていいタイミングね!」

彼女の迅速な判断のもと、手元のレバーをひねり、切り替えを行います。(レバーを切り替えると、Coeur(heart)とSecondは別々のタンクに流れていくようになっています)

ちなみに香と液体の状態で判断が可能だそうで、舐めたり飲んだりすることはありませんでした。

何てこった、私も一緒にずっと香りを嗅いでいましたが、正直全く即座に判断ができませんでした。(当然か)

凄いわ・・・

いよいよBrandy Daddyのカットを・・・・

1機目の切り替え作業が終わって数分後、2機目(右側の蒸留器)の切り替え作業に移ります。

ここで面白かったのは、この2機の蒸留器は同じ量を同じタイミング、同じ火力で蒸留を開始させますが、必ず毎回左側の1機目の方が早くカットのタイミングがくるそうです。全く同じ容量設計、同じタイプの蒸留器ですが、50年前のハンドメイド蒸留器なので、窯の厚さや微妙な細かい違いでこのような差が生じているのだとか。色んな意味で面白い手作り感です。

そしていよいよ私の判断で切り替えを行うことに。

判断の要素としては、香り、液体を振った時の泡が消えるスピード、アルコール計器の変化です。

香り
Secondの方がより重たく、エレガントなアロマが失われる傾向にある。

泡の消えるスピード
液体をグラスに入れて少し振った際にできる泡が消えるスピードが徐々に早くなる。早くなってくるとSecondに切り替わるサイン。

アルコール度数計器
Secondに近づくとアルコール度数を計る計器の動きが少し激しくなる。度数の振れ幅が大きくなる。

といった所だそうですが、果たして・・・・



まだまだCoeur(heart)=コニャックとして使える部分の状態です。



うーん



ん~



ん?

え、ちょっとマジで全然わかんないだけど(笑)

めちゃくちゃ挙動不審に香りを嗅ぐ私を皆が見つめています。

プレッシャーがハンパないんだが・・・。



私「う~ん、たぶんここだ!今!どう??」

責任者の方「・・・うーん、まだSecondじゃないね。」

Σ( ̄ロ ̄lll)



(マジで分からん、助けて・・・)

私「どう?どう?今??」(チラッ チラッ

責任者の方「・・・まだだね。」苦笑

というやり取りが何回か続いたあと、若干私にも少し変化が分かるような気がしてきました。

私「こ、ここじゃない?今どうでしょう!!??」

責任者の方「・・・うん、切り替えていい感じだね!」

やったーーーーー

・・・ほとんど責任者の方の判断に頼りながら切り替え作業をさせて頂きました。(笑)

レバーを回して、Coeur(heart)とSecondの液体が別々のタンクに入るように切り替えます。そしてこの辺の計器を少しカチャカチャと切り替えます。

手前のレバーを締めて、奥のレバーを開いて蒸留液の導線を変えます

ふー・・・・

マジで変な汗出たわ。

ということで、この日のこのバッチはBrandy Daddy仕様のコニャックとなります(笑)

貴重な体験をありがとうございました!

何年かしたらこの樽を買い取らないとね(笑)

蒸留所の中での美味しいランチと猫

一通り変な汗をかいたあとは、蒸留所内で皆さんとランチさせて頂くことに。

午前中に回った樽メーカーのすぐ横にあったスーパーで買ってきた食材(アボカド、フォアグラの瓶詰め、バケット、ワイン)と、今日届いたらしいオイスターを皆で囲んでワイワイ。

オイスターを捌くThomas

日本のお酒市場や文化について等、楽しい1時間半のランチタイムを過ごしました。

あと、ここの蒸留所にはカワイイ猫さんがいます。

はやり暖かい蒸留器のそばが好きなようで、こんな感じで暖をとっています。

人懐っこくてかわいい。

プティットシャンパーニュエリアの熟成庫

もちろんこのエリアにもABK6の熟成庫があります。

ここはダイジェストで紹介。

こんな感じ。

樽の列の前には1樽ごとの中身の状態が書かれたシートが貼られています。樽の番号、容量、生産域、アルコール度数などです。

このシートは数ヶ月に1回の調査毎に更新されます。

そして恒例の樽直飲み。頂いたのは1969年のコニャック(プティットシャンパーニュ産)。うまうま。

そしてめちゃめちゃ古い昔使われてた蒸留器。(現在は使用していません)

そんなこんなで一通りABK6コニャックのプティットシャンパーニュエリアを楽しませて頂きました。

続いてはこの足で最後のグランドシャンパーニュ地区の畑と蒸留所を見にいきます。

ABK6のグランドシャンパーニュエリア

プティットシャンパーニュエリアから車で移動すること約20分。

スゴンザックとポールジロー氏のいるブートビル村の中間に位置する Segeville (Lauriere) in St Preuil という場所にABK6の持つグランドシャンパーニュの畑と蒸留所があります。

ここは比較的最近DOMAINES FRANCIS ABECASSISが買い取った場所です。

建物自体は古く、1649年にできた石造りの建物を改装しながら熟成庫として使用しています。

畑は小高い丘の上にある大変長めの良い場所です。日照条件がよく、グランドシャンパーニュのブドウには最適な環境が整っているとのこと。

夕暮れ時は美しい

最新式のステンレス発酵タンク10機がこれから導入される予定で、入口の前に並んでいました。次期2020年のワイン作りから使用されるそうです。

あまり写真が取れませんでしたが、ここの蒸留器はBRAASTADなどと同じく蒸留器の間に通路を挟むトンネルタイプの蒸留器です。スペースを節約して4基程の蒸留器が並んでいます。

ABK6およびLEYRAT、REVISEURといったDOMAINES FRANCIS ABECASSIS(ドメーヌ・フランシス・アベカシス) のコニャックはファンボアとプティットシャンパーニュがメインのため、グランドシャンパーニュエリアについてはあまり詳細が明かされていませんが、これから面白いことが起きそうです。

詳細分かり次第また記事にしたいと思います。

ホテルに戻ってこの日のディナーは・・・

2日間にわたってABK6コニャックの重要なポイントを回り、様々な体験をさせてもらい、とても学びのある2日間となりました。

各蒸留所の皆様、本当にありがとうございました!

その後は再び昨日宿泊したアングレームのホテルに18時頃戻り、1時間程休憩した後にThomas、アルノー達と合流して夕食を一緒にすることに。

向かったのはLes Sources de FontbelleというThomasの友人がオーナー兼シェフを務めているという昨年完成したばかりのすげーレストラン。

建物から内装まで全て1から建設したそうです。

Les Sources de Fontbelle

オサレすぎて食べ方がよくわからん料理が多数ありましたが、とにかく一皿一皿が濃厚ですんごい。

一番リーズナブルなコースを頼んだのですが、締めのデザートの前にプレデザート的なのが出てきてビビる。お腹いっぱいすぎるわ。

ご馳走様でした。素敵なレストランを紹介してくれてありがとうございます!

そんなこんなでお腹いっぱいになった後、22時頃にホテルに戻りシャワーを浴びて1日の疲れを流します。

そして昨日樽から取り出して少し持ち帰り用にペットボトルに入れてもらった100年ものコニャック(ぞんざいな・・)を少し飲み、ホッと一息ついたところでベッドへGO。

明日は朝からクルボアジェ、そしてオーガニックコニャック、信濃屋プライベートボトル等でも有名なギィ・ピナールを回ります。

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