コニャック滞在記2019年 冬

コニャック滞在記㉔:クルボアジェ訪問(3)おじいちゃんに癒される時間とクルボアジェマスターブレンダー

2020年3月1日

滞在9日目その3
2019年12月11日(水)

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700の契約農家の役割とクルボアジェの蒸留

クルボアジェの記事はこれで最後。

前2回の記事が重要なので、今回はサクッと書いて参ります。

クルボアジェの蒸留を一通り見せて頂いた後は、クルボアジェの契約農家の一つのとあるコニャック生産者の所へ車で向かいました。

Michel Guilloteau (ミッシェルギヨト)

その生産者の名前はMichel Guilloteau (ミッシェルギヨト) 。

長年クルボアジェと協力関係にあり、自社のコニャックを提供している生産者です。

敷地に入ると、お二人の生産者がフランス語で笑顔で出迎えてくれました。

その後、畑から搾汁機、蒸留器、熟成庫まで一通り見させてもらいました。

27ヘクタールのブドウ畑を所有。(ファンボア)

最も古い木は樹齢40歳だそう。

そしてこの搾汁機は2018年に導入したばかりの最新式!空気で中のバルーンを膨張させ、中のブドウを圧縮→搾汁します。

蒸留器は1基。2018年は過去最大の収穫量だったらしく、コニャックが蒸留できる期限である3月末までに蒸留が終わらない程だったそう。

このように25ヘクタール前後の自社畑を持っている所は自社で蒸留を行ったものを売っても商売が成り立ちますが、これよりも更に畑の規模が小さくなると、蒸留してオードヴィーにした場合の生産量が少なくなり、採算がとれなくなる場合があるため、蒸留は行わずにワイン生産者として生計を立てるところが多いそうです。
※あくまでも大手の生産者にコニャックやワインを卸している生産者の場合で、ジャンリュックパスケのように14ヘクタールの畑でも自社ブランドを持っている所は別話です。

こちらでもいくつかの樽からダイレクト試飲させて頂きました。

伊藤さんと共に訪れましたが、皆さんとても仲よさそうでクルボアジェとの良好な関係も伺えます。

こちらは古い原酒が眠るもう一つのセラー。やや湿度高め。

表には出ることのない貴重な原酒達です。

ミッシェルさんは昔のコニャック作りの道具をコレクションするのも好きらしく、他にも昔の道具が沢山おいていました。140年くらい前の道具とか。

こちらはそーと昔の搾汁機。万力で動かす手動式です。初めてみた。おもしろー。

30分程の短い訪問でしたが、クルボアジェの関係農家を直に伺うことができてよい機会となりました。

ミッシェルさんの笑顔が素敵で癒されました。

この後歯医者に行くそうです(笑)

クルボアジェテイスティングタイム

その後、再びジャルナックのクルボアジェ本社に戻り、テイスティングタイム。

このテイスティングタイムもともと(前回の記事で登場した)2019年からアメリカのクルボアジェのブランドマネージャーになったジョンさんと共に行う予定でしたが、前の訪問が少し長引いたため私達は途中からの参加に。

テイスティングルームに到着して再びジョンさんとグローバルアンバサダーのレベッカさんと再会。

そしてこの日のテイスティングを指導してくれたのは、現在クルボアジェで官能評価を担当しているルノアーさん。将来のクルボアジェマスターブレンダー候補です。

テイスティングさせて頂いたのはクルボアジェのラインナップ一通り。

クルボアジェVS
熟成年数約3~7年のブレンド
主にジャルナック北部のファンボアエリア。(石灰石多めのファンボア土壌)
なお、サントリーはこのVSを輸入していないため、日本にあるクルボアジェVSは並行輸入品です。

クルボアジェVSOP
熟成年数約5~12年のブレンド
ファンボア、グランドシャンパーニュ、プティットシャンパーニュがメイン

クルボアジェ ナポレオン
熟成年数7年~15年のブレンド
フィーヌシャンパーニュ(ミニマム50%グランドシャンパーニュ、残りプティットシャンパーニュ)
クルボアジェでは唯一オールドスタイルなボトルのままのコニャック。他のラインナップとも味わいの特徴がやや異なります。

クルボアジェXO
熟成年数11年~25年のブレンド
メインはグランドシャンパーニュ。プティットシャンパーニュ+ボルドリ。そしてボルドリも使用(10%以下)

クルボアジェ イニシャルエクストラ
熟成年数約25年~50年のブレンド
メインはグランドシャンパーニュ。プティットシャンパーニュ+ボルドリも使用(10%以下)

クルボアジェ個々のラインナップの細かい説明を生産者から直接聞いたのは初めてだったので学ぶことが多くありました。

これらの一部の情報はルノアー氏から聞いた口頭上の説明なのですが、ルノアー氏は、ヘネシーや他の大手と比較して、各ラインナップ事に熟成年数や生産域をある程度明確にマッピングできることがクルボアジェの特徴、とも言っていました。

ちなみに、ブレンドされている原酒の最小と最大の熟成年数に関してはコニャックの公式WEBサイトにしてはかなり珍しく、クルボアジェのHPにある程度明記されています。ままり見ている人は少ないかもしれませんが、クルボアジェの日本語版WEBサイトもちゃんとした情報が充実していますね。

クルボアジェXOの所感は前にXO比較企画なるものを行ったので、ここでは細かく述べませんが、クルボアジェイニシャルエクストラはさすがに複雑な味わい。

クルボアジェl初の垂直テイスティングで楽しいひと時でした。

ちなみにコチラはクルボアジェのフラッグシップボトル。

クルボアジェ L'ESSENCE

30年~100年原酒のブレンドです。日本だと30万円~40万円くらいのめっちゃ高いやつ。

ヘネシーでいうところのリシャール。レミーマルタンでいうとルイ13世的な立ち位置のコニャックです。

これも飲んだかというと・・・・それは秘密です(笑)

マスターブレンダーと記念写真

テイスティングの合間にクルボアジェの現マスターブレンダーのPatrice Pinet(パトリック・ピネ)氏とお会いして記念写真。

少しの時間でしたが交流することができました。

ちなみにこの部屋は官能評価室。さまざまな契約農家から送られてきたオードヴィーやコニャックが並んでいました。

貴重な時間をありがとうございました。

ありがとうクルボアジェ

ということで、この日は朝8時40分から伊藤さんにお付き合い頂き、丸1日かけてクルボアジェの特徴をばっちりと案内して頂きました。

本当にありがとうございます。まだまだ私の見たところはクルボアジェの一部かもしれませんが、特にクルボアジェの樽へのコダワリや、各農家との関係性を学べた点は私にとっても大変貴重な体験となりました。

そしてサントリーから日本人として唯一クルボアジェに赴任している伊藤さんとはここでお別れ・・・・

なんて事はなく、この後はこのまま日本でも有名なオーガニックコニャック生産者「Guy Pinard(ギィピナール)」へ訪問し、ディナーまでご一緒に頂く事に。

日本でも信濃屋やBAR DORASとのコラボボトルで有名なGuy Pinard(ギィピナール)ですが、果たしてその生産現場とは!?

そしてGuy Pinard(ギィピナール)が手掛ける美味しいウイスキーも巡り合いました。

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