コニャック滞在記2019年 冬

コニャック滞在記㉕:生まれ年コニャックを頂く!ギィピナールと記念ボトル

2020年3月5日

滞在9日目その4
2019年12月11日(水)

そろそろこのコニャック滞在記もダラダラと細かく書き過ぎたので、ここから先は少し駆け足で、なるべく読みやすい長さで書いて参ります。

前回のクルボアジェ訪問を一通り終えた後、その足でクルボアジェの伊藤さんと共に、信濃屋やBAR DORASとのコラボボトル、ギィピナール ファンボワセレクションなどで有名なGuy Pinard(ギィピナール)へ訪問。色々見せて頂いた後はディナーをご一緒にさせて頂きました。

ギィピナールの場所はコチラ。ジャルナックから車で10分ほど移動したFoussignac(フシニャック)村の一角です。


雨の中出迎えて頂いたのは、Jean-Baptiste PINARD(ジャン=バティスト・ピナール)さん。

暗かったので写真がブレブレ・・・

こんな暗い時間にありがとうございます。

オーガニックコニャック歴50年

オーガニック製法で有名なギィピナールですが、オーガニック製法に転換して50年を迎えるそうです。

すごい!!

なお、ギィピナールはジャンさんのお父さんが始めたブランドです。

クルボアジェとも仲の良いギィピナール

実はギィピナールはクルボアジェの契約農家の一つでもあります。

でも彼らがクルボアジェに提供しているのはコニャックではなく、蒸留前のワイン。

ギィピナールが作ったワインをクルボアジェと提携してるプロフェッショナル蒸留家(蒸留専門家)で蒸留してもらっているそうです。

蒸留したオードヴィーは主として自分達のブランド用のコニャックとなります。(量によっては他に提供したりもしているそう)

蒸留を一通り見せて頂く

ジャンさんに蒸留の様子、熟成庫などを一通り見せて頂きました。

2019年は4月に少し霜の被害があったものの、全体的にはなかなか良い出来のブドウが収穫できたそうです。

こちらがギィピナールの蒸留機。なかなか良い雰囲気。

通常ギィピナールのコニャックはオリ在りで蒸留するそうですが、伺ったタイミングで蒸留しているものは特別にホメオパシー等を行っている薬剤機関向けに提供する用のコニャック(コニャックに花を漬け込んで作るらしい)で、たまたまオリ無しの状態で蒸留したものでした。(そんなのあるんだ!?)

ブドウを育てる際には疫病防止のためにオーガニック製法でも認められてるボルドー液(銅殺菌剤)を使用するのですが、その中に含まれる銅の成分がワインのオリの中に微量に蓄積するらしく、そのオリも除外した状態のコニャックを求められることもあるらしいです。

もちろん通常のオリ在りで蒸留したものもオーガニックの基準に沿ったものですので健康被害的な影響は皆無ですが、ある意味あまり出会わない貴重なオードヴィーを試飲させて頂きました。

蒸留機の制御盤と蒸留サイクル

ギィピナール蒸留機の制御盤はこんな感じ。

1回目の蒸留であるプルミエショーフはこの制御盤が大活躍。 ほぼこれで入力した動き通りに蒸留機を自動制御可能。ブルイやヘッドのタンクの切り替えやガスの停止もオートマ。

制御装置や制御盤の見方を詳しく教えて頂きました。かなり長くなりそうなので、それはまた別記事にてm(__)m

主にガス圧と液体の温度、そして経過時間で制御します。

蒸留のサイクル

基本的には1回目の蒸留であるプルミエショーフを1日目夜・2日目昼・2日目夜と3回繰り返したあと、3日目の昼にコニャックの原酒となる2回目の蒸留ボンヌショーフを行います。

夜間に行うプルミエショーフはこのコンピュータが制御してくれますが、より精密で熟練した人の手によるカッティング技術(使用する蒸留液の切り替え)を必要とするボンヌショーフは大変重要な作業のため、基本的には昼間の時間帯にしか行わないそうです。

プルミエショーフ:1日目夜・2日目昼・2日目夜
ボンヌショーフ:3日目昼

蒸留機を1機だけで蒸留している生産者はこのような蒸留サイクルが多いようです。

これはジャルナックパスケや他の小規模な生産者でもそうなのですが、蒸留機が1機2機のみの小さな生産者は夜中ずっと人を付けておくことはできないので、どんどん自動化が進んでいるそう。(おかげで良く眠れる)

逆に蒸留機を何十機も保有している(Maranchevilleのような)蒸留専門でやっているような所は夜中の稼働時にも人の手でチェックしています。

生産規模や専門分野、そして時代と共に蒸留スタイルも様々です。

ギィピナールの熟成庫へ

こちらがギィピナールの熟成庫。

この雰囲気、好きだわ~。

熟成庫で2016年のヒョウの被害や2017年の霜の被害の話で盛り上がりました(笑)ちなみに霜は標高が低い方に溜まりやすく、ここは標高が70mほど高いので2017年の霜の被害はほとんど大丈夫だったそうです。

参考
ポールジローだけじゃない!2017年の霜によるコニャック生産量への影響

そんなこんなで話が盛り上がっていると、ジャンさんから

「何年うまれ?」

と聞かれたので

「1986年ですよ」

と答えると、ニヤッと笑った後にこの樽を飲ませて頂きました。

わーお。

胸が躍ります。

実は今回のコニャック滞在で自分の生まれ年コニャックを樽から直飲みしたのはこの日が初めて。87年とか85年とかニアミスばかりだったので・・・。

これは素直に嬉しいと共に、めちゃくちゃ美味しい。

この樽はこのまま商品化するとギィピナールのコニャックとしては値段が高くなりすぎるので、今後はリミテッドエディションとして出すか、どのようにして世に出すかはまだ決まっていない樽だそう。とてもスペシャルなものを飲ませて頂きました。

Mmerci beaucoup!

ギィピナールのウイスキー

一通り見せて頂いたあと、お兄さんのローランさんが合流。

ご一緒にオフィスで軽くテイスティンタイムを設けて頂きました。

コニャックも頂きましたが、ここではギィピナールのウイスキーも頂くことができました。

ギィピナールのウイスキー
ギィピナールのウイスキー

ギィピナール家ではオーガニックのビールも作っており、その流れでオーガニックなウイスキーも作っています。

ピノーデシャラント(赤)の樽でフィニッシュさせたウイスキーです。ピノーデシャラントの樽をそのまま活用できるこのコニャックエリアならではのウイスキーですね。

ギィピナールの場合は正確にいうと、ウイスキーの蒸留自体は別のところ(彼らの従兄の蒸留所)でやっていて、そのウイスキーをギィピナールにて熟成しているらしいのですが、実はコニャックの蒸留機が稼働しないを行わない夏の期間にウイスキーやラムなど他のスピリッツを蒸留しているメーカーは以外とあります。
※コニャックAOCの規定でコニャックの蒸留ができるのは毎年10月1日~翌3月末まで。

大変興味深いテイスティンタイムでした。

その後オフィスにて記念写真。

そして何故かお土産にこちらのボトルを頂きました(笑)

信濃屋&BAR DORASコラボボトル。BAR DORASさんが10周年記念の際に出されたボトルです。
1986-2014ボトリングの28年熟成。

こんな所に1本眠っていたとは・・・。何だか大変恐縮ですが、有難くじっくりと楽しませて頂きます。

(帰国1週間後・・・ウマウマですげー勢いで消費してしまう・・・↓)

ワイワイディナーへ

その後は私と伊藤さん、ジャンさん、ローランさんの4人でコニャック市街地に出向き一緒にディナーを。

色々料理がおいしく、話も弾んでディナーの写真を撮るのを完全に忘れてしまって写真が1枚もないのですが、とても素敵で貴重な時間を過ごさせて頂きました。

そして食べ始めて1時間くらい経ったところに、何と偶然にも6日前にコニャックにてディナーをご一緒させて頂いた野田祥子さんが夫婦で同じレストランに入店してきてビックリ。(!!?)

何という狭い世界だコニャック 笑 (良い意味で

2時間程の会食を終え、ほろ酔いで良い感じにお腹いっぱいになった後、別れを惜しみつつ解散。

朝8時半から夜の22時過ぎまで、大変濃厚な1日でございました。

この日ずっと一緒に回ってくれたクルボアジェの伊藤さん、本当にありがとうございました!!

その後はこの日のホテルであるフランソワプルミエに再び戻り、シャワーを浴びてそっこーベッドで就寝。

実は明日、朝7時からコニャックから少し離れたグランドシャンパーニュコニャックの名生産者が集まる場所、スゴンザックにて4件のアポイントがあるのです。

ということで次の日は朝5時起き。

そしてその日はこのコニャック滞在中で最も過酷でサバイバルな1日になるなんて、この時はまだ予想もしていませんでした・・・

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