カルヴァドスの中にはかなり初めて見た時のインパクトが強いお酒があります。
瓶の中にリンゴが丸々1個入っているヤツ。
このリンゴ丸々1個入りのカルヴァドスは
「ポム・プリゾニエール(La Pomme Prisonnière)」と呼ばれています。フランス語で意味はそのまま「閉じ込められたリンゴ」。
日本で一番流通量が多く有名なのは、こちらのポム・ド・イヴ あたりではないでしょうか。
どうやってリンゴを瓶の中に?ポム・プリゾニエールができるまで
ポム・プリゾニエール(La Pomme Prisonnière)の最大の特徴は、瓶の中に入っているリンゴ。どうやって入れたのでしょうか?
注ぎ口は狭すぎて収穫されたリンゴを入れることはできませんし・・・
瓶を真っ二つにしてくっつけてるわけでもないですし・・・
瓶の中でリンゴを成長させる
もう答えはお分かりですね。
ポム・プリゾニエールは、春先から小さいリンゴにに瓶をかぶせ、瓶を木の枝に固定させます。その瓶の中でリンゴを成長させることで作り出されます。
そして9月末にリンゴが熟成すると、瓶と共に木から丁寧に切り離されます。
その後、AOCの基準に則ったカルヴァドス地区で生産されたカルヴァドスを注ぎ込みます。注ぎ込む回数はメーカーによっても異なりますが概ね次のような過程が多いです。
1回目
→アルコール度数45%のカルヴァドスを瓶に注ぎ、リンゴの実をアルコールに浸します。
2回目
→最低3週間から4週間経過した後、瓶内に残ったカルヴァドスを空け、2回目のアルコール度数45%のAOCカルヴァドスを瓶に注ぎます。
3回目
→更に4~5週間後、瓶のカルヴァドスを再び空け、アルコール度数40%の3回目のAOCカルヴァドスを注ぎます。
※3回目は経ずに2回目で完了するメーカーもあります。
出荷
→コルクで栓をした後、蝋封を行うメーカーが多いようです。
注意点として、瓶に注ぐカルヴァドスはAOC基準に乗っ取って既に2年以上樽で熟成されたカルヴァドスを用いることです。
カルヴァドスの生産域には「カルヴァドス ペイ・ドージュ」「カルヴァドス ドムフロンテ」「カルヴァドス」の3つがありますが、どの生産域のカルヴァドスを使用するかはメーカーによって異なります。
カルヴァドスの生産域と基準はコチラの記事にまとめていますのでご参照下さい。
参考動画
こちらに分かり安い動画があったので、紹介しておきます。
ビンの中でリンゴを育てる収穫過程の動画です。↓
カルヴァドス ポム・プリゾニエールのおすすめは?
世界には多くのポム・プリゾニエールが存在しますが、日本でも流通量が多く、気軽に手に入りやすいのは先ほども紹介した「ポム・ド・イヴ 」と「クールド リヨン ポム プリゾニエール 」でしょう。
少し詳しく見ていきましょう。
ポム・ド・イヴ
ドメーヌ・ド・コクレルが出しているポム・プリゾニエールが「ポム・ド・イヴ (Pomme d'Eve)」。意味はまんまの「イヴのリンゴ」。
生産域としては「カルヴァドスAC」となり、ペイ・ドージュ地区とドンフロン地区で栽培されたリンゴを使用し混合したカルヴァドスを使用しています。
比較的若いカルヴァドスが使用されているため、値段もお手頃ですね。Amazonや楽天で多く入手可能です。
クール・ド・リヨン ポム・プリゾニエール
クリスチャン・ドルーアン社のブランドである「クール・ド・リヨン」から出ているクールド リヨン ポム プリゾニエール 。ちなみにクール・ド・リヨンは「獅子の心」って意味。
ペイ・ドージュ地区のリンゴを使用し、栽培・発酵・蒸留・熟成・ブレンドまで全て自社で行っているメーカーです。
使用しているカルヴァドスは熟成年数5年程のものです。
こちらも値段的にはお手頃。Amazon や楽天で多く入手可能です。
クリスチャン ドルーアン クール ド リヨン ポムプリゾニエール 果実入り カルヴァドス 40度 1000ml (容量9...
ポム・プリゾニエールの飲み方は人それぞれですが、他のカルヴァドスやコニャックと同じくストレートで飲む方がおすすめですね。 また、意外とロックでもいけたりします。
見た目のインパクトも大きいため、プレゼントにも最適かもしれません。
洋ナシバージョンもある
ちなみに、ポム・プリゾニエールと同じようなお酒にリンゴではなく洋ナシを使ったものもあります。なかなか手に入りにくいですが、G.E.マスネ(G.E.Massenez)社のポワール・ウィリアムス なんか有名かもしれません。
こちらも興味ある方はお試しあれ。