2021年6月26日(土)、酒育の会が主催するブランデーセミナー「ブランデーをもっともっと楽しもう! 世界各地の個性豊かなブランデー」に参加してきたのでその簡単なレポートをお届けします。
6000円とは思えないラインナップ
今回のセミナーはコニャック、アルマニャック、カルヴァドスといったブランデーの定番ではなく、それ以外の各国のブランデーを楽しむセミナーとして開催されました。
テイスティングアイテムとして提供されたのは次の5種類(写真左から)
- マール・ド・ブルゴーニュ コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ
- フィーヌ・ブルゴーニュ コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ
- グラッパ・ディ・モスカート トラニ
- へレス・ブランデー バルデスピーノ・ヘリテージ
- フルーツブランデー(黒スグリ) カポヴィッラ
これ、なかなか良いラインナップで、セミナー参加費6000円がめちゃめちゃ安く感じるボトル達です。
これ飲めるだけでも幸せ^^
セミナーでは各ブランデーの大まかな製法や特徴、ボトルにまつわる面白い話など、酒育の会代表の谷嶋氏によって語られました。
普段この辺のブランデーはコニャックやアルマニャック、カルヴァドスと比べると口にする機会も圧倒的に少ないので、改めて勉強になります。
谷嶋氏や参加者との楽しいやり取りもありつつ、至福のテイスティングタイムです。
私の方でも簡単にテイスティンアイテムの紹介をしたいと思います。
マール・ド・ブルゴーニュ コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ
シャンボール・ミュジニー(村)最高の生産者とも名高く、とても品質の高いブルゴーニュワインを作り生産者ドメーヌ・コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエの手によるマール。
ヴォギュエ好きのみならず、ブランデーファンからも評価の高い逸品です。
フィーヌ・ブルゴーニュ コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ
こちらも同じくコント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエの1本。こちらはマールではなくフィーヌです。同じ生産者でマールとフィーヌを飲み比べると、それぞれの特徴が明確に分かるので大変面白いテイスティングとなりました。
グラッパ・ディ・モスカート トラーニ
エメラルドグリーンの美しいマスカット「マスカット・オブ・アレキサンドリア」を使ったグラッパです。
蒸留後、12ヶ月程フレンチオークで熟成させた1本。
マスカットのグラッパは単純に「マスカットだ・・・」という感想になることが多いのですが、このグラッパは単純なマスカット以外にも、アプリコットや白桃、蜂蜜、質の良い石鹸など様々な複雑な香りと味わいの変化を楽しむことができるグラッパでした。
個人的にはかなり好き。
へレス・ブランデー バルデスピノ・ヘリテージ(旧ボトル)
バルデスピノといえばこれ、と言っていいほど有名なヘレスブランデー(シェリーブランデー)。60年・・・中には100年超えの原酒も使用されていると言われる長熟ブランデーです。
しかも今では手に入らない旧ボトル。
甘く濃厚だけど、後味はしつこくなく、調子にのって飲んでいると気づけば1本空いてしまう・・・重そうな見た目とは裏腹にスイスイといけてしまうブランデー。漏れなくウマい。
ちなみに、シェリーブランデーと言われていいますが、シェリー酒が使われているからシェリーブランデーという名前ではありません。
ここでいうシェリーブランデーは、シェリー酒の産地であるスペインのヘレスとその周辺で造られるブランデーの総称です。酒精強化されたシェリー酒を蒸留するのではなく、コニャックと同じように
葡萄→搾汁→発酵→白ワイン→蒸留→シェリー樽熟成
というステップを踏んだヘレス産のブランデーという意味です。
その辺はまた別記事で触れられればと思います。
フルーツブランデー(黒スグリ) カポヴィッラ
湯煎式で蒸留されるイタリアのフルーツブランデー。カポヴィッラ氏が手掛けるフルーツブランデーシリーズの一つ。
カポヴィッラのフルーツブランデーは今回の黒スグリ(カシス)以外にも、梨、白桃、リンゴ、アプリコットなどフルーツブランデー生産者らしく様々な種類のラインナップがあります。
その中でも別格なのが今回の黒スグリ、そしてフランボワーズ。(フランボワーズは今回おあずけ)
よくフルーツブランデーに感じてしまいがちな単調な味わいではなく、黒スグリそのものの味わいと様々な要素を楽しめるフルーツブランデーでした。
あまり飲み比べをしないブランデーを学ぶよい機会
先述したように、各国のブランデーを飲み比べるというのは普段なかなかない機会です。とても良い機会となりました。
グラッパがめちゃめちゃ美味しかったな・・・。個人的に良いグラッパに共通して感じるのは紅茶なんです。紅茶といっても色々ありますが、この紅茶感が良いのです。香り立ちと鼻抜けでいうとコニャックよりも好きかもしれません。
そういえばマールとフィーヌの違いなど基本的な所を当サイトでもまとめてなかったですね。近いうちにもう少しマール・フィーヌそしてフルーツブランデーにもちょいちょい手を出していこうと思います。
次回は超ド級のブランデー飲み比べ
実は酒育の会のブランデーセミナーは3部構成になっており、今回は第2部目。1部目はコニャック・アルマニャック・カルヴァドスで、こちらも参加させて頂きました。
そして3部目となる次回は7/24(土)に開催される「50年を超える長期熟成ブランデー」セミナー。私も参加します。
こちらのラインナップがかなり良い。凄い。
- ジャン・ド・ソンヌヴィル グランド・シエクル 1908-1988 80年
(コニャック グランドシャンパーニュ) - レロー トレ・ヴィエイユ・リザーヴ・デュ・パラディ50年
(コニャック プティット・シャンパーニュ) - サンペ 1944(アルマニャック)
- ドメーヌ・フォルニエ 1969 46年(カルバドス)
- ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ マール1986(マール)
セミナー代も15,000円とこれまでの2部よりも高めですが、納得の・・いやむしろ安すぎる価格です。
私の本命はロマネコンティの1986年マール^^ 1986のDRCマールは初めて飲みます。しかも私の生まれ年!!
残念ながら7/3現時点で既にキャンセル待ち状態なのですが、またレポートをお届けできればと思いますのでお楽しみにお待ち下さいませ!