今回レビューを行うのは、当Brandy Daddyでも度々登場する「サンクゼール」が手掛けるシャルドネのホワイトブランデーです。長野県飯綱町に本社を置くサンクゼールは自社畑で育てたブドウを使ったワインやジャム、そしてブランデー等で有名。
2018年の初アップルブランデー発売時から当サイトでもこれまでいいづなアップルブランデーを中心にいくつかレビューを行ってまいりました。
過去の参考記事
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→国産「いいづなアップルブランデー」届いたのでレビュー
→いいづなアップルブランデー第2弾レビュー:今度は「ふじ&ブラムリー」
→国産「いいづなアップルブランデー」第3弾が発売!届いたのでレビューだよ
→おすすめブランデーのおつまみ:サンクゼールの洋ナシジャム×チーズ!
→国産アップルブランデー熟成バージョンを味わう!
今回もご縁があり2021年8月に発売された同社初シャルドネのホワイトブランデーを入手しましたのでその詳細と美味しい飲み方をお届け致します。
サンクゼールブランデー Blanche シャルドネ
これまでリンゴを使ったアップルブランデーをリリースしてきたサンクゼールですが、今回は初となるブドウのブランデーです。これまでとは違ったアプローチに興味深々です。
まずは基本的な商品情報
サンクゼールブランデー Blanche シャルドネ
サンクゼールの自社畑で収穫したシャルドネを100%使用して蒸留。樽熟成をしていないできたてのホワイトブランデー。ボトルデザインはこれまでのアップルブランデーのボトルを踏襲したスッキリ細身でスタイリッシュボトル。
これまでのアップルブランデーは真っ白のラベルに文字とリンゴのアイコンのみでしたが、今回はブドウのアイコンと白バックにシャルドネの葉っぱのシルエットがデザインされています。
アルコール度数:40%
容量245ml(限定150本)
価格¥3,400+税
実は白ブドウであるシャルドネ単体のみを使った国産ブランデーというのは意外と珍しい存在。
今回のシャルドネブランデーは2020年に試験的に蒸留したものを商品化したボトルとのことで、ネット販売はしておらず長野県飯綱市にあるサンクゼール・ワイナリー本店で現地販売のみとなります。
まずはストレートで飲んでみる
まずは素直にストレートで味わってみましょう。
香り立ち
ボトルを開けた瞬間に感じるのは圧倒的ヨーグルト感。グラスに注いだ後もとてもクリーミーかつ洋ナシ、青リンゴのニュアンスを含んだヨーグルトの香り立ちです。
具体的には「朝食リンゴヨーグルト」を開封した瞬間がめちゃめちゃしっくりくる。
そのあとはかすかにメロンのような甘いかおり。そして春の森林のイメージ。
鼻を近づけすぎるとインクっぽさを感じる場面もありますが、ベストな位置はグラスから5cmくらいが最もこのシャルドネブランデーの心地よい香り立ちを楽しめる位置だと感じます。(グラスにもよるけど)
味わい
味わいは香りで感じたヨーグルト感とは全く異なります。
まずシンプルにブドウの香りが鼻から抜けます。そしてパイナップル、イチゴ、香りでも感じたメロンといった香味が舌の上に広がります。
それと同時にほろ苦さも存在します。このほろ苦さは好き嫌いが分かれるところですが、フルーティーな甘みの良いアクセントなります。
無熟成という点から、余韻に関しては短いと言わざるを得ません。良い言葉でいうとキレが良い、なのかもしれません。
余韻や飲みごたえという部分においてはやや物足りなさを感じてしまうのも事実です。
ストレートで飲む場合は重厚感のある味わいや余韻を求めるというよりも、圧倒的に香り立ちを楽しむことができるブランデーです。余韻の長さはないものの、まるで高級メロンと牧場ヨーグルトを連想させる香り立ちの良さは他国のブドウを使った無熟成ホワイトブランデーの中でもレベルの高い位置にいると思います。
レモネード サイダー割り
さて先程まではあくまでもストレートで飲んだ場合の話です。こういった無熟成のホワイトブランデーは何かで割ると相乗効果でお互いの良さを何倍にも引き出すことができます。
せっかくなのでレモネード サイダーで割ってみましょう。なお、こちらのレモネードはシチリア産のレモンを使用したサンクゼールのオリジナルレモネードです。
シャルドネブランデー30mlとレモネードサイダーを適量(80mlくらい)注いでみます。
・・・ビックリするくらい合う。
え、うそだろ・・・。めちゃめちゃウマいやんけ。
実はこの組み合わせ、このサンクゼール シャルドネブランデー開発者の方からもおすすめされた飲み方なのですが、疑り深い私は最初半信半疑でした。しかし何ということでしょう、レモネードの酸味と甘み、シャルドネのブドウ感が完璧に調和。パーフェクトバランスです。
決してサンクゼールに対する忖度でもお世辞でもございません。この美味しさは認めざるを得ないですね。
そもそもこのレモネード自体が絶妙な甘さと酸味で、単体でもかなり美味しいのですが、そこにシャルドネのフルーティーな香りが加わります。そしてシャルドネブランデー単体ではやや物足りなかった味わいにこのレモネードが加わることでブドウのふくよかさが強まり、さらにレモネードの重厚感が舌を満足させてくれます。
これま文句なしのマッチング。是非皆さんにも試して頂きたいものです。
ナイアガラ サイダー割り
次は長野県産ナイアガラ(白ブドウ)を使ったサイダーで割ってます。
かなり甘さが強調される組み合わせです。先程のレモネードとは違ってシャルドネサイダーには酸味が少ないため、まるでメロンソーダを連想させるジュースカクテルとなります。あま~いカクテルが好きな人には向いているかもしれません。
もちろんこのナイアガラサイダー自体も美味しいのですが、個人的にはこの組み合わせはちょっとブドウブドウしすぎている気もします。なんというか、ナイアガラの甘さとシャルドネブランデーのブドウ感がお互いを主張しあって喧嘩しているような・・・。
あまり量を飲んでしまうとクドく感じてしまう一面もありますので、デザートカクテルとして1口2口ほど楽しむのが良いかもしれません。
今後に期待が高まるサンクゼール
今回頂いたサンクゼールのシャルドネブランデーですが、圧倒的に一押しはレモネードサイダーとの組み合わせですね。ナイアガラサイダーもよいのですが、レモネードの酸味と甘みそしてシャルドネブランデーの香り立ちのバランスが完璧すぎる。
ちょっと今回はやってませんが、ライムピールなんかをひと絞りするとまた違った発見があるかもしれません。
今回のシャルドネブランデーは2020年に試験的に蒸留したものを商品化したボトルとのことで、ネット販売はしておらず長野県飯綱市にあるサンクゼール・ワイナリー本店で現地販売のみとなります。
今後はアップルブランデー同様に樽熟成タイプのシャルドネブランデーも本格的に進める予定とのこと。
難点としては価格と容量といったところでしょうか。
容量245mlで税込3,740円という価格帯は700ml換算で1万円を超えてしまうので、無熟成タイプのブランデーとしての市場価格的には割と高級品の分類に入ります。バー等で提供するのは方法を考えないと原価的に難しい部分もありそう。個人的には長野県飯綱町を代表するプレミアムジャパニーズホワイトブランデーとしての地位を築いていくのも面白い気がしますが。
2017年以降、国産ブランデーとして様々な研究・挑戦を続けているサンクゼールは応援したいブランドのひとつ。そういった意味でもまた今後の展開に興味と期待が高まります。