今回のレビューはペイドージュ産カルヴァドスの代表格でもあるシャトードブルイユより「シャトードブルイユ15年」。
シャトードブルイユのフラッグショップボトルでもあるシャトードブルイユ30年のちょうど半分の熟成期間にあたるこのボトル。その詳細と香味を見ていきましょう。
参考記事
→カルヴァドス ペイドージュとは?
シャトードブルイユ15年の基本スペック
まずはこのボトルの基本情報から。
シャトードブルイユ15年(Chateau du Breuil 15 Ans d'Age)
容量:700ml
アルコール度数:41%
熟成年数:15年
生産域:カルヴァドス ペイドージュ
輸入業者:ジャパンインポートシステム
購入価格:税込8,130円(2022年6月購入)
ではさっそくコルクをきゅこきゅこ・・・
ちなみに周りの蝋が付いたまま無理やりコルクを回しても空きますが、蝋のバリがかなり落ちるので、最初に少しナイフで削っておいた方がいいかもしれませんね。
ちゃんと空けばこんな風にコルクが紐から垂れ下がります。
シャトードブルイユ15年の香り立ち
注いだ瞬間の弾けるような香り立ちはやや乏しい。最初のアタックとしてはややセメダイン、ワックスのようなケミカル臭の刺激が気になる所ではあります。
それ以降は革や渋い燻っている木や湿った草木の印象が強く残ります。
完熟りんごの香りはほのかにしますが、フルーティーというよりもどちらかというとアーモンドやカカオ、干し柿とった要素を拾うことができます。
20分程よく空気と馴染ませてあげるとアニスやシナモン、そしてどこか・・・ワサビっぽさといったスパイス・ハーブの香りを引き出すことができように思えます。
まだ開栓して1週間程しか経っていないからかもしれませんが、第一印象としては全体的に単調でリンゴの複雑性は薄いかもしれません。
シャトードブルイユ15年の味わい
最初に樽由来の渋みをやや拾いますが、飲み込む瞬間に一瞬アプリコットのような甘い香味が舌に残り抜けていくのがとても印象的。
香り立ちと同様に(41%なのに)アルコール感の強みをやや感じてしまい、最初の渋みも相まってなかなか刺激的に感じる味わい。
果実味やヴァニラなどの要素は少ない。
余韻としては中程度でやや単調ではありますが、そのウッディさとビターな鼻抜けはペアリングとしてフルーツよりもシガーとの相性が良いのかもしれません。
シャトードブルイユ15年まとめ
全体的にスパイシーさとウッディさが目立つボトル。
カルヴァドスペイドージュの力強さは十分にあるのかもしれません。
同じペイドージュのカルヴァドスであるクリスチャンドルーアン15年とは全く異なる。ヴァニラ系の香味を求めるのであればクリスチャンドルーアンやアドリアンカミュなどの方が圧倒的ですが、ビターなカルヴァドスが好きな方はこのシャトードブルイユ15年が良く合うと思う。
個人的にはアルコール感の強くリンゴ感が少ない単調な味わいが気になってしまい自分好みのカルヴァドスとはならなかった。同程度の熟成年数であるシャトードブルイユ1998ミレジムの味わいがかなり好印象で好みだったので、そこは少し残念と言わざるを得ない。。。
シャトードブルイユ15年はスタンダードラインナップとして比較的手に取りやすい価格帯でもあるため、シャトードブルイユの基準の一つとして把握しておくのは良いと思う。
次回は同じ15年熟成ですが、シングルカスクとしてリリースされたシャトードブルイユ15年カスクナンバー14001との比較を楽しむ予定です。お楽しみに^^