
ようやく梅雨が明けて参りました2020年8月1日。
この日は私が住んでいる千葉では30℃超え。いよいよ夏到来といった感じです。
いやぁ、長かったですね今年の梅雨は。
ということで、夏にかけて美味しいブランデー×アイスを色々実験!!!
ブランデー5種とアイス3種類
ウイスキー×アイスしかり、ブランデー×アイスもこれまたなかなかのマッチングデザートなのです。
今回用意したアイスクリームは
ハーゲンダッツ バニラ
ハーゲンダッツ 抹茶
そしておまけに私も大好きスーパーカップ!!

細かい事を言うと、ハーゲンダッツはちゃんとしたアイスクリームですが、スーパーカップはアイスクリームではなくラクトアイスの部類に入ります。
アイスの分類と基準
知ってる人は多いと思いますが、念のためアイスの種類豆知識。
いわゆる「アイス」は、その商品に乳固形分が含まれているかどうかで大きく2種類に分かれます。
乳固形分とは「乳製品の中の、水分以外の部分」のこと。大まかには、乳固形分が3.0%以上あるものを「アイスクリーム類」、3.0%未満のものを「氷菓」(ガリガリ君とか)と呼ぶことになっています。
「アイスクリーム類」はさらに3つに分類されます。「アイスクリーム」「アイスミルク」「ラクトアイス」です。
- アイスクリーム:乳固形分15%以上うち乳脂肪分8%以上
- アイスミルク:乳固形分10%以上うち乳脂肪分3%以上
- ラクトアイス:乳固形分3%以上うち乳脂肪分-指定なし
「乳脂肪分」とは「乳固形分」の中に含まれる脂肪分のことで、バターやクリームになる成分です。

成分表示を見ればわかりますが、ハーゲンダッツは乳脂肪分15%(つまり乳固形分10%以上)の「アイスクリーム」、スーパーカップは「ラクトアイス」の分類となります。ハーゲンダッツが濃厚で価格が高いのはこのためです。
もっと詳しいアイスクリームの区分けや成分についてはコチラのサイトなどをご参照くだされ。
アイスクリームやらラクトアイスの話をすると、やれトランス脂肪酸がどうのとか、添加物がどうのとかいう話が始まることもありますが、今回はそんな細かい事は梅雨と共に流してしまい、欲望のままにアイスとブランデーを食していきます(笑)
使うブランデーはこの5つ
とりあえず家にある使いやすそうなブランデーを選んでみました。
コニャック多めですが、ブランドや熟成年数でどのくらい違いがでるのか試したかったのでこのチョイスに。あまり多くても全部食べ切れないので・・・。
カルヴァドス アドリアンカミュ 12年
カミュVSOPエレガンス
レミーマルタンVSOP
フランソワヴォワイエ VSOP
ラニョーサボラン フロリレージュ 45年
最初の4本はどれも平均的に熟成年数10年~15年くらいのVSOPコニャックです。1本だけ45年という長熟のラニョーサボラン フロリレージュを使ってみました。
果たしてどう違いがでるのか・・・。
まずはハーゲンダッツ バニラで

まずは定番のハーゲンダッツ バニラで一通り試してみます。
さすがに1種類のブランデーについき1カップのアイス全部だと食べ切れないので、アイスは小皿に取り分けます。
アイスにブランデーをかけて混ぜてシェイク状にする方法もありますが、今回はシンプルにアイスの上からブランデーを垂らして良い感じに調和した状態で食べて参ります。
カルヴァドス アドリアンカミュ12年×ハーゲンダッツ バニラ
まずは1つめ。
定番バニラとカルヴァドス アドリアンカミュ12年。

タラーっと・・・
うん、よいよい!
バニラの味にブランデーが負けるかなと思ったのですが、予想以上にカルヴァドスの風味が効いています。
少しだけリンゴの渋みが残りすぎるのが気になります。
調和というよりも、しっかりとしたバニラの後にカルヴァドスの風味が口の中を多い、バニラアイスとカルヴァドスが別々に感じられる印象。喧嘩はしてないけど、お互いに距離を取っている感じ。
カミュVSOPエレガンス×ハーゲンダッツ バニラ
カミュVSOPは、VSOPレンジのコニャックの中でも結構紅茶っぽさや薬草感があるVSOPコニャックだと個人的には思うのですが、それがここでは活きています。

これは完全に調和。
言い過ぎかもしれませんが、紅茶も同時に味わっているかのような複雑な味わいの変化。
やはり最初はバニラアイスの濃さが際立ち、その後ほのかなアルコール感とバニラの味わいを引き立ててくれるカミュVSOPの香草感。
なかなかのマッチング具合です。
レミーマルタンVSOP×ハーゲンダッツ バニラ
さて、お次は大手コニャックVSOP検証でも「ややドライでクリア。大きな特徴はないが品行方正な優等生」という評価を得たレミーマルタンVSOP。

果たして・・・・
・
・
・
・
ん?
あれ?
レミーマルタンどこいった・・・?
なんてこった。カミュVSOPとのあまりの違いにバニラアイスの中のレミーマルタンを見失ってしまいました。
そんなことある???
いや、もちろんブランデーっぽさはあるのですが、あまりにも印象が薄くて。(かけてる分量は同じ)
これは完全にバニラアイスが支配的になりすぎていて、レミーマルタンVSOPの要素がかなり薄くなってしまっていました。
錯覚だろうか。
完全にハーゲンダッツのバニラにレミーマルタンVSOPが飲みこまれてしまった。
「ややドライでクリア。大きな特徴はないが品行方正な優等生」
という前回の感想通り、風味の強いバニラアイスにはややクリアすぎた印象。
こんなに変わるもんなの・・・?
(この後もう一回試したけど、同じだった)
フランソワヴォワイエVSOP×ハーゲンダッツ バニラ

・・・・結論から言おう。
今回の勝者である!!!
いや、実は最初から予め少し予想は立っていました。濃厚なバニラアイスとはある程度樽感が強いブランデーが合うのではないかと。
カミュVSOPよりも更にベストマッチなブランデーはフランソワヴォワイエVSOPでした。
フランソワヴォワイエといえば、新樽での熟成期間が長く、他のコニャックと比較してもどちらかというとしっかりと樽感が感じられるのが特徴なのですが、その濃厚さとハーゲンダッツ バニラの濃厚さが見事に調和。
バニラの濃厚な甘みのあとに、それと混ざり合いながらほのかに香るフランソワヴォワイエVSOPの系譜。そしてその後にバニラの甘みが再び・・・。
そのループが数回繰り返されたあと、ついにその境界線は無くなり完全にハーゲンダッツ バニラとフランソワヴォワイエVSOPは一体化し私の舌と鼻を楽しませます。
そして千葉県の30℃の真夏日で火照った体が、まるでモルディブの海上コテージでバカンスを謳歌しているかのような悠久のひとときへといざないます。
(しまった、言い過ぎた)
と、まぁ色々盛りましたが、これは非常によい組み合わせ。
ウイスキー好きでアードベッグ×バニラアイスとか好きな方はもちろん楽しめると思いますが、アードベッグほどスモーキーではないため「アイラ系のウイスキーはちょっと・・・」という方でもちょうど良い塩梅に楽しめる組み合わせだと思います。
ラニョーサボラン フロリレージュ45年×ハーゲンダッツ バニラ
最後は今回の特別枠!
およそ45年熟成の長熟グランドシャンパーニュコニャックの代表格「ラニョーサボラン フロリレージュ」です。

ロトーっと・・・・
そして、いただきます。
・
・
・
?
あ、
あぁぁ
なんてこった。
これはアカン。
多分一番やっちゃダメな組み合わせだった。
口に含んだ瞬間に分かる。
バニラアイス
VS
フロリレージュ
!!!!
もう、何て言ったらよいのか・・・・
お互い全く交わることを知らず。
互いの良い所を打ち消しあう、見事な仲たがい。
喧嘩。
お互いに主張が激しすぎて、バニラはバニラで強いし、ラニョーサボラン フロリレージュはその熟成年数が故に、フランソワヴォワイエVSOPを遥かに超える熟成感と、元よりあるフルーティー感が裏目に出てしまい、もう全てがバラバラ。
テニスのダブルスでいうと、互いが連携を無視してボールを取り合っている状態。
「私の方が上手いんだから邪魔しないでよね!!!」
という声がアイスを乗せたお皿から聞こえてきそうで、もう心痛い。
そんなに喧嘩しないでおくれ・・・。
君たちはそのままの、ありのままの姿の方が美しいことはよく分かったよ。
私が悪かった。許してくれ・・・。
以上、ラニョーサボラン フロリレージュ45年×ハーゲンダッツ バニラ
終了。
ハーゲンダッツバニラとの相性は・・・
ということで、これはあくまでも私の個人的な印象ではありますが、やはりハーゲンダッツバニラと相性の良いブランデーは、ある程度の、主に樽感のある個性があるブランデーとの相性がベストマッチ。
今回用意したブランデー5本とハーゲンダッツバニラとの相性をランク付けするのであれば下記の通りでした。
1位:フランソワ ヴォワイエVSOP×ハーゲンダッツ バニラ
2位:カミュVSOPエレガンス×ハーゲンダッツ バニラ
3位:アドリアンカミュ12年×ハーゲンダッツ バニラ
4位:レミーマルタンVSOP×ハーゲンダッツ バニラ
5位:ラニョーサボラン フロリレージュ45年×ハーゲンダッツ バニラ
個人的には圧倒的にフランソワヴォワイエVSOPだったのですが、価格帯と入手のしやすさから考えるとカミュVSOPエレガンスが最もお手軽に楽しめる組み合わせかもしれません。
是非ご参考に。
ハーゲンダッツ グリーンティーは・・・


実はこの後、私としては最も大好きなハーゲンダッツのグリーンティー(抹茶)で色々組み合わせを試してみたのですが・・・・
正直
・
・
・
どれもビミョーーーー
という結論に至ってしまいました。
というのも、もとよりハーゲンダッツ グリーンティーはバニラよりも更に味が濃厚。
そしてかなり濃いグリーンティーの渋みを保有したアイスクリームです。
今回用意した5本だと、どれもその抹茶の渋みと喧嘩。
・・・というよりも渋みだけをより強調する結果となってしまいました。
これにおいては正直、ハーゲンダッツ グリーンティーとブランデーは個別に楽しむか・・・というよりもカジュアルにアイスを楽しみたいならブランデーかけないほうが100倍美味しいという元も子もない結論に至りました。
ハーゲンダッツグリーンティー結論
ハーゲンダッツ グリーンティー・・・個性が強すぎる故、何も混ぜずにそのままの方が圧倒的に美味しい!!!
(笑)
スーパーカップでも楽しめます
先述した通り、ハーゲンダッツとスーパーカップのアイスとしての差は歴然である。
しかしながら、もちろんスーパーカップ×ブランデーの組み合わせも存分に楽しむことができます。

基本的な組み合わせとしてはここまでのハーゲンダッツとの組み合わせ通りで大方合っているかもしれません。しかしやはりアイスクリームとラクトアイスの差は大きく、こうやって食べ比べてみるとどうしてもスーパーカップの水っぽさが際立ってしまいます。
ブランデーをかけるとどうしてもアイスが溶けるスピードは速くなってしまうため、どうしてもスーパーカップの方が水っぽくなってしまうのですが、ハーゲンダッツと差別化するのであれば、より特徴的な、それこそカルヴァドスや、より重厚感のあるアルマニャックなどと組み合わせるとよいかもしれません。
というか今回アルマニャックは試しませんでしたが、「妻の誕生日とアルマニャック バロン・ガストン・レグラン1979」でも書いたように、アルマニャックの力強さとバニラアイスクリームの相性は抜群なものがあります。
今回はそこまで深く探求しなかったアルマニャック×アイスですが、是非手元にアルマニャックをお持ちの方はお試し頂くとよいかと思います。
甘味×ブランデーのマッチング
今回改めて感じたことはアイスクリームはじめ甘味系×ブランデーの組み合わせは可能性が無限大であるということ。
特にアイスクリームとの組み合わせは、ブランデーやウイスキーをストレートで飲むよりもビールが美味しくなる夏季においては是非ともお試し頂きたいものです。

ブランデー×アイスクリームの組み合わせは、実はバーなどの店舗ではいささか提供しにくい組み合わせでもあると思います。
なぜならアイスの溶けるスピードが速く、バーテンダーの方々にとってもチャームとして出すには耐久性が乏しく、メニューとして出すにはアイスクリームの保管状況が難しいことが挙げられます。
そういった意味では「ブランデー×アイスクリーム」はある種オーセンティックなバーでも楽しむことができない自宅ならでは楽しみ方とも言えるのではないでしょうか・・・と個人的には感じています。
今回ここに紹介しきれなかったブランデー×アイスクリームの組み合わせとしてはチョコレートアイスクリームやシャーベット系アイスクリームが挙げられます。
是非とも皆さんにベストマッチなブランデー×アイスクリームの組み合わせを見つけてもらえると幸いです!
最後に、繰り返しになりますが、私にとってのベストマッチは「フランソワヴォワイエVSOP×ハーゲンダッツ バニラ」です!
お試しあれ。
※最後に、私Brandy Daddyは、ハーゲンダッツからもフランソ ワヴォワイエ、および今回登場したブランドから一切協賛は受けていません。完全な私の独断と好みです。