ブランデー知識【入門編】

【入門編】ウイスキーとブランデーの違いは何か?原料、製法、種類、特徴などを解説

2023年11月10日

「この前飲んだお酒美味しかった~。あれウイスキーだっけ?ブランデーだっけ?何だっけ?」

ウイスキーやブランデーを飲み始めた方の中にはこのような問いが多いのではないでしょうか。ウイスキーもブランデーもどちらも美しい琥珀色のお酒です。ここでは改めてブランデーまたはウイスキー入門編としてブランデーとウイスキーの違いを分かりやすく解説します。

どちらも蒸留酒

まず抑えておかないといけないのは、ウイスキーもブランデーどちらも「蒸留酒」であるということです。

そもそも「蒸留酒」とは何でしょうか?
お酒は製造方法によって、「醸造酒(じょうぞうしゅ)」「蒸留酒」「混成酒(こんせいしゅ)」の3つに分かれます。

  • 醸造酒:原料を酵母でアルコール発酵させて造るお酒。代表的なお酒はビール、日本酒、ワイン
  • 蒸留酒:醸造酒を加熱し、蒸留して造るお酒。代表的なお酒はブランデー、ウイスキー
  • 混成酒:醸造酒や蒸留酒を原料に、果実や香辛料などを配合したお酒。代表的なお酒は梅酒、リキュール

つまり製造方法としてはウイスキーとブランデーは同じ蒸留酒というカテゴリに入ります。醸造したものを更に蒸留するのでアルコール度数は高く、大体アルコール度数40%~50%くらいの蒸留酒が一般的です。

では同じ蒸留酒でもブランデーとウイスキーにはどのような違いがあるのでしょうか?

ウイスキーとブランデーの違いとは

ウイスキーとブランデーには、それぞれどんな特徴や違いがあるのでしょうか?一番大きな違いから見ていきましょう。

【一番重要】原料が違います

一番分かり安い違いは原料の違いです。

  • ブランデー・・・果物(白ブドウ、リンゴ、洋ナシ等々)を原料としたお酒
  • ウイスキー・・・穀類(大麦、ライ麦、トウモロコシ)を原料としたお酒

です!大きくい言うとこれが全て。これさえ覚えておけば大体OK!!!

蒸留までの製造過程が違います

ウイスキーもブランデーも同じ蒸留酒ですが、お酒を蒸留するためには

発酵(醸造)→蒸留

というステップを踏む必要があります。

ブランデーは果実を原料としたものですが、世界で最も消費されているブランデーはブドウを原料としています。ブドウを原料としたお酒といえば他に何が思いつきますか?

そうワインですね。

ワインは醸造酒です。ブドウを原料としたブランデーは基本的にワイン(醸造酒)を蒸留して作られます。

同じくウイスキーも大麦やトウモロコシを発酵させ醸造させた液体を蒸留して作られます。同じ穀物を醸造したお酒としてはビールが思いつきますね。

めちゃめちゃ簡単にいうとブドウ(果物)を原料とするワインを蒸留したものがブランデーで、穀物を原料とするビール(のようなもの)を蒸留したものがウイスキーなのです。

この大元となる醸造(ワインとビール)の工程に「糖化」というステップが存在するかしないかも大きな違いです。

糖化とは?

ウイスキーもブランデーも発行させる際に酵母をまぜて糖分をアルコールと二酸化炭素に分解し、醸造酒へと至ります。この工程は同じです。

しかしウイスキーの原料である穀物類には糖分がほとんどないため、そのままでは発酵させることができません。そのためウイスキーの場合は原料となる穀物と水を混ぜて御粥状態にします。例えば大麦を原料としている場合、ここで麦芽中の酵素が働き、麦芽のでんぷんを糖分に変えます。これをろ過して「麦汁」が作られます。この「麦汁」が発酵して初めてウイスキーの元となる液体ができるんですね(ウイスキー的にはこれを「もろみ」と呼びます)。

これがウイスキーの糖化のステップです。

しかしながらブランデーにはこの糖化が存在しません。ブランデーの原料は果物であるためもともと発酵に必要な糖分を多く含んでいます。そのため穀物の様にでんぷんを糖に変える工程は必要ありません。そのまま発酵させた後、ウイスキーと同様に蒸留という工程を経てブランデーになるのです。

熟成もちょっと違います

ウイスキーもブランデーも基本的には黄色や琥珀色の液体ですよね。

これは樽で熟成することで木の成分が液体に移り液体の色が変化しているからです。樽の熟成を経ていない蒸留したての液体はウイスキーもブランデーも無色透明なのです。

この熟成に何を使用するかもウイスキーとブランデーで少し異なります。

ウイスキーはどんな種類のウイスキーでも木製樽で数年の熟成が必要です。使用される木の種類や熟成年数はウイスキーの種類によって規定が異なります。(ウイスキーの種類は後述)

ブランデーの場合、多くはウイスキーと同じように木樽での熟成が用いられますが、中には木の樽を使わないものも存在します。
例えば有名なブランデーの種類としてはフランスのコニャック・アルマニャック・カルヴァドスが挙げられます。これらは法律で木(オーク)の樽で熟成することが義務付けられています。しかし世界各地を見回ってみると木製樽を使用しないブランデーも多くあります。果実の風味をそのまま生かしたい場合は木の樽を使わずステンレスタンクを使用したり、無熟成のままホワイトブランデーとしてとそのような製造方法があります。

ウイスキーの種類は何がある?

ウイスキーの有名な産地はアイルランドとスコットランド、そしてアメリカです。同じウイスキーでも国ごとに原料の穀物や製造方法が異なり、それぞれに特徴的な風味や味わいがあります。

こちらも代表的な例を挙げますので是非参考にしてください。

スコッチウイスキー

スコットランドで造られている世界でも人気のウイスキーです。
原料の組み合わせによってカテゴリが変わります。

  • モルトウイスキー:大麦と麦芽のみで醸造
  • グレーンウイスキー:とうもろこしと麦芽を調合したもの
  • ブレンデッドウイスキー:モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドしたもの

スコッチウイスキーはその中でも生産域ごとの特徴が分かれています。あの有名なマッカラングレンリベットはスペイサイドという地区で作られるスコッチウイスキーです。
また、アイラウイスキーと呼ばれるアイラ島で作られたウイスキーはピート由来のスモーキーな香りと力強い味わいが特徴で日本をはじめ世界中で人気があります。

スコッチウイスキーの有名処はコチラ

アイリッシュウイスキー

アイルランド共和国と北アイルランドで造られているウイスキーです。私個人的にはバナナのような甘い香りが特徴的だと感じます。麦芽をピートで燻す工程がないのでとてもめらかな味わいのウイスキーです。

アイリッシュでもモルトウイスキー、グレーンウイスキー、ブレンデッドウイスキーが作られています。
「アイルランド島の倉庫で木製の樽に入れて3年以上熟成させたもの」だけがアイリッシュ・ウイスキーと名乗ることができます。代表ブランドとしては「ブッシュミルズ」「ジェムソン」「レッドブレスト」など歴史ある醸造所が多いのも特徴のひとつです。

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アメリカンウイスキー

アメリカンウイスキーはその名の通りアメリカで作られているウイスキーです。原料によって様々な種類があります。

バーボンウイスキー、ライウイスキー、モルトウイスキー、コーンウイスキー、ブレンデッドウイスキー・・・などです。

有名なバーボンウイスキー

中でも有名処はアメリカのケンタッキー州バーボン郡を中心に造られているバーボンウイスキーでしょう。原料の51%以上にとうもろこしが使われるのが特徴で、やや赤みがかった色味と華やかな香り、マイルドな味わいがあります。日本ではワイルドターキーや、テネシー州で作られているバーボン「ジャックダニエル」が有名ですね。テネシー州で作られているのでテネシーウイスキーなんて呼ばれたりします。ちなみにバーボンは産地ではなく製法の規格ですので、ケンタッキー州バーボン郡以外の土地で造られても、その製法を守ればバーボンと名乗れます。

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ブランデーの種類は何がある?

ブランデーは果物の蒸留酒の総称であり、使われる果物の種類によって風味や色合いが異なります。中でも有名なのは白ぶどうを使ったフランスのブランデー「コニャック」や、りんごを使った「カルヴァドス」などです。また、ブランデーは熟成年数によって等級があり、年数が若い順に「V.S.」「V.S.O.P」「ナポレオン」「X.O.」などの等級名がついています。

ブランデーの等級に関して詳しい記事はコチラ

ブランデーは使われる原料や生産地域で異なる名称が使われています。代表的な例を挙げますので是非参考にしてください。

ブランデーの名称 原料 主な産地
コニャック ブドウ コニャック地方(フランス)
アルマニャック ブドウ アルマニャック地方(フランス)
カルヴァドス リンゴ ノルマンディー地方(フランス)
グラッパブドウの搾りかすイタリア
キルシュヴァッサー (オー・ド・ヴィー・ドゥ・キルシュ) サクランボ シュヴァルツヴァルト地方(ドイツ)、 フランス
スリヴォヴィッツ プラム(スモモ) 中欧・東欧諸国
フランボワーズ (ヒンベアー) 木イチゴ アルザス地方(フランス)、 シュヴァルツヴァルト地方(ドイツ)など
ポワール 洋ナシ ノルマンディー地方(フランス)
オープストラー リンゴと洋ナシ チロル地方(ドイツ、オーストリア)など

それではブランデーの有名処であるコニャック、アルマニャック、カルヴァドスを少し詳しく見てみましょう。

コニャックとは?

フランスの南西部に存在するコニャック市を中心にする地域で生産される、ブドウを原料としたブランデーをコニャックといいます。

有名なコニャックブランドとしては「ヘネシー」や「レミーマルタン」などが挙げられますね!

法律で定める基準に該当したものは、この地名の名前である「コニャック」として販売することができます。

コニャックに使われるぶどうの品種は殆どがユニブラン(別名サンテミリオン種)という品種です。コニャックの蒸溜は、単式蒸溜機で2回行われます。

コニャックはさらに細かく6種類の地域に分かれており、それぞれでランクが異なります。

また、熟成年数による等級が細かく定められています。代表的な呼び方はと熟成年数の関係は次の通りです。

  • スリースター → 熟成年数2年以上
  • V.S. → 熟成年数2年以上
  • V.S.O.P. →熟成年数4年以上
  • ナポレオン →熟成年数6年以上
  • X.O. →熟成年数10年以上

より細かい規定はこちらを参照してください。
ブランデー「コニャック」の製造工程まとめ基礎・入門編

アルマニャックとは?

フランスのボルドー地方南に位置するアルマニャック地方で作られるブランデーをアルマニャックと呼びます。

こちらもコニャックと同じく、法律で定める基準に該当したものは、この地名の名前である「アルマニャック」として販売するが出来るようになります。

アルマニャックに使われるぶどうは、ユニブラン、バコ、フォルブランシュ、コロンバールなどの品種です。

蒸留方法は連続式蒸留器での1回蒸留または単式蒸留器での2回蒸留が用いられます。

こちらもコニャック同様熟成年数によって等級の呼び方が異なります。

  • VS(Very Special)・★★★(スリースター/Trois Etoiles) →最低熟成年数1年経過
  • VSOP(Very Superior Old Pale) →最低熟成年数4年経過
  • XO・HORS D'AGE →最低熟成年数10年経過

より細かい規定はこちらを参照してください。
アルマニャックとは何か?コニャックとの違いから製造方法、おすすめ等アルマニャック基礎知識を網羅

カルヴァドスとは?

フランスの北部ノルマンディー地方とブルターニュ地方が産地です。そして原料はブドウではなく、リンゴを原料としてつくられるブランデー。

特にノルマンディ地域圏にあるカルヴァドス県のブランデーが有名です。従ってノルマンディー地方とブルターニュ地方で作られたリンゴのブランデーで基準を満たしたものを総じてカルヴァドスと呼びます。

蒸留方法は連続式蒸留器での1回蒸留または単式蒸留器での2回蒸留が用いられます。

こちらもコニャック、アルマニャック同様熟成年数によって等級の呼び方が異なります。

  • VS(Very Special) →最低2年熟成
  • Vieux(ヴィユー) / Reserve(レゼルヴ)→最低3年熟成
  • Vieille Reserve(ヴェイユレゼルヴ) / VSOP→最低4年熟成
  • Hors d'Age(オルダージュ) / XO / Très Vieux(トレヴィユー) / Extra(エクストラ) / Napoléon(ナポレオン)→最低6年熟成

より細かい規定はこちらを参照してください。
カルヴァドスはどうやって造られるのか?定義と生産方法・おすすめのカルヴァドス

ウイスキーとブランデーの違いまとめ

では最後にウイスキーとブランデーの違いについて重要なポイントをまとめましょう。

  • ウイスキーとブランデーはどちらも蒸留酒
  • ウイスキーとブランデーは原料が違う
    ブランデー・・・果物(白ブドウ、リンゴ、洋ナシ等々)を原料としたお酒
    ウイスキー・・・穀類(大麦、ライ麦、トウモロコシ)を原料としたお酒
  • ウイスキーの原料となる穀物は糖分を含まないため発酵させるために糖化が必要
  • ブランデーは果実の糖分があるため糖化は不要
  • ウイスキーは生産場所や製法によってスコッチ、アイリッシュ、アメリカンなどに分かれる
  • ブランデーも生産場所や製法によってコニャックやカルヴァドス、グラッパなどに分かれる

以上、入門編として少しでもウイスキーとブランデーの違いについて理解して頂ければ幸いです!

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