さて、今回レビューを行うコニャックは「ゴデ ガストロノーム(GODET Gastronome)」というコニャック。輸入元はあの「チョーヤ梅酒(株)」です。
チョーヤ梅酒といえば完全に梅酒か柚子酒のイメージしかなかったのですが、実はコニャックもちゃっかりと仕入れています。
でもあんまり売れ行きは芳しくないらしく(笑)、チョーヤ梅酒のHP上でも商品案内を見かけません。せめて載せたげて・・・。
現在チョーヤ梅酒が取り扱っているコニャックブランドはこのゴデ(GODET)のみ。商品ラインナップとしては、今回の「ガストロノーム」(写真左のボトル)と「ゴデ アンタークティカ」(写真右の透明ボトル)の2つ。ご縁あって2つとも入手することができたので、早速レビューをば。(アンタークティカはまた別記事にて書きます)
そもそもゴデってどんなブランド?
5大コニャックネゴシアンや、ポールジローなどの有名プロプリエテールと比べて日本では馴染みの薄いこの「ゴデ(GODET)」というブランド。
プロプリエテールではなくネゴシアンです。フランスではシェア第10位くらいだそうです。
ゴデの歴史は1550年に遡ります。創業者のボナベンチャー・ゴデが南部のLa Rochelleに移住して蒸留を開始。実際にGODETをブランドとして立ち上げ、トレーディングカンパニーとしたのは1782年のことです。現在は第15代目のJean Edouard Godet氏まで系譜が続いている家系です。
Jean Edouard Godet氏の写真がHPにあったので拝借↓。
イケメンすぎだろ。
ちなみにゴデの公式HPにはゴデの歴史が結構細かく書かれています。(コチラ)
興味ある方は是非。
ゴデのラインナップ
主に日本に流通しているゴデのコニャックはこのガストロノームとアンタークティカの2つくらいですが、もちろんそれ以外にもラインナップはあります。一応、現在分かっているものを書き出してみます。
- GODET VS Cuve
- GODET VSOP Special
- GODET VSOP Excellence
- GODET XO Terre
- GODET XO Fine Chanpagne
- GODET Foll Blanche
- GODET Gastronome
- GODET Renaissance
- GODET EXTRA
- GODET Old Borderies
- GODET Ambleville
- GODET Extra old
- Grande Champagne: 1900 - 1922 - 1928 - 1952 - 1955 - 1960 - 1979 - 1980 - 1983
- Petite Champagne: 1968 - 1970 - 1974 - 1981 - 1982
- Fins Bois: 1971 - 1972
- Borderies: 1985
- Folle Blanche: 1988 - 1989 - 1990
この全部を輸入するのは難しいと思いますが、個人的に気になるのは・・・
最近は単一種、単一生産域のコニャックに興味があるので、フィルブランシュ100%の「GODET Foll Blanche」と、ボルドリ産100%「GODET Old Borderies」、ミレジムの「Borderies : 1985」ですね。(誰か輸入して下さい。)
ゴデ ガストロノームの背景
このゴデ ガストロノーム(GODET Gastronome)の「ガストロノーム」とはもともと美食家を意味する言葉です。その名の通り、世の食通、美食家に向けて作られたコニャックです。
このガストロノームの背景は1838年に遡ります。ゴデ家が食事によく合い、美食家たちの舌を唸らせるコニャックを開発すべく完成したものです。
ちなみに、ガストロノームのブレンドには約6000L容量のオーク樽トノーが使われているそう。ポールジローのトノーが7000Lでかなり大きい方だったので、6000L容量でも大きい方ですね。
ゴデ ガストロノームのスペック
ゴデガストロノームはグランドシャンパーニュ50%以上+プティットシャンパーニュのブレンドである「フィーヌシャンパーニュ」となります。
参考記事
→コニャックの生産域とは
原料はユニブラン100%。熟成年数は15年です。ブレンドされている原酒のミニマムが15年なのですが、マックスは何年熟成の物がブレンドされているかは不明。
アルコール度数は40度。
15年でアルコール40度なので、まぁ加水はされていると思いますが、詳しい加水方法は不明です。
受賞歴
Gillbert&Gaillar 2013 Best in Class
Best in Class: International Wine & Spirits, London 2005
Bronze medal: International Wine & Spirits, London 2000
Recommendation: Exposition International, Philadelphia 1876
最も古いアワードで1876年にフィラデルフィアで賞を取っているようですが、さすがに昔すぎてどんな賞なのかよく分からん・・・。
長くなりましたがレビュー
さて、前置きが長くなってしまいましたが、早速ゴデ ガストロノームのレビューをば。
パッケージはかなり派手なデザインです。これは、花・・・なのか?
では抜栓。
ポンッ。
香り立ち
抜栓した瞬間の香りはあまり花開かず。やはりノーズが長いボトルはその辺やや足りない感があり残念。。。
ゴデ ガストロノームは熟成も15年と若い方なので、香り立ちとしてもやや草っぽく若々しい感じが強い。逆にそれが新鮮さを感じさせる場面もありますが。
香り立ちとしても、どちらかというと香草、花系の香りが全面に出ており、ジャンフィユーなどに近いスミレっぽい香り立ちが目立ちます。
ラニョーサボランなどのフルーティー系とはまた方向性が違います。
味わい
ゴデ ガストロノームの味わいはドライ。ボディは軽めです。
味わいもやはり草・花系。商品説明には「エレガントでフルーティー」と記載がありますが、正直どちらかというと「フルーティーさ」よりもスパイシーさが際立つ気がします。
熟成も短いため、芳醇なランシオ香や熟成感は期待できません。ドライなので余韻としても弱いですが、これはこれで食事に合う事を目指したガストロノームとしては正解なのかもしれません。
確かに、キレがあるコニャックなので、肉料理などの濃い食事の後はスッキリ流すことができると思いますし、変に後味が残らないので、料理の味を邪魔することなく食を進めることができるコニャックだと思います。
ゴデ ガストロノームのまとめと価格帯との相談
ゴデ ガストロノームは定価で7,800円くらいだそうですが、現在(2017年11月)はかなり値下がりが目立っております。現在の価格チェックはコチラから。
同じ熟成年数と価格帯であれば、ポールジローヴェイユレゼルヴ15年あたりがライバルになりそう。正直、ゴデ ガストロノームが7000円越えると、ポールジロー15年でいいんじゃないか説も私の中にはありますが(笑)、これとあれは味わいの方向性が違うコニャックなので、別物として楽しむことができます。
単体で飲むのであれば話は別ですが、食事と一緒なら全然おすすめですよゴデ ガストロノーム。マリアージュを楽しむというよりも、あくまで料理をメインとして、料理の風味を損なわずに手助けしてくれるコニャックです。
ただ、日本ではまだ「食事と一緒にコニャックを楽しむ」という習慣はあまり馴染みがないのがネックですね・・・。
価格帯もお手頃なので、食事のお供に興味のある方は一度手に取ってみてはいかがでしょうか。