今回のレビューはグランドシャンパーニュのプロプリエテールコニャック「フランソワヴォワイエ(François Voyer)」より、フランソワヴォワイエXO GOLDです。
ブランドの詳細とボトルを見てみましょう。
ランソワヴォワイエとは?
ランソワヴォワイエはグランドシャンパーニュに28ヘクタールの畑を持つプロプリエテールコニャックです。1870年代の創業で、Ducasse, Lucas Carton, Laurentなど、フランス各地の有名レストランでもフランソワヴォワイエのコニャックが飲まれています。
ブランド名はランソワヴォワイエ(François Voyer)ですが、メーカーの名前はBibardies(ビバルディ)社です。ランソワヴォワイエはコニャックだけでなく、赤・白それぞれのピノ・デ・シャラントや、ブラックベリー、ラズベリー、ピーチなどのリキュールも出しています。
コニャックは全てグランドシャンパーニュオンリーで、100%ユニブランです。
日本に輸入され始めたのは2015年とかその辺りじゃなかったかな、と記憶。結構最近のことです。
ランソワヴォワイエHPはコチラから
フランソワヴォワイエXO GOLDの詳細
グランドシャンパーニュ、100%ユニブランコニャック。
熟成年数は20~30年のものがブレンドされています。アルコール度数は加水されて調整していますが、加水香を避けるためこのXO GOLDは2年に1~2%の割合でゆっくりと加水されています。ちなみに同社のVSOPは2年に5~10%の割合で加水。Extra、Hors d'Ageクラスは加水なしのカスクストレンクスです。
なお、「GOLD」が付いているのは、2011年、2012年のサンフランシスコワールドスピリッツコンペティションでダブルゴールドメダルを受賞し、他にも色々受賞したからGOLDと付け足したそうです。
20~30年の熟成年数で8,000円程でしたので、なかなかコスパ良さそうかと思いましたが、このボトル500mlボトルです。そこだけちょっと注意。単純に700ml換算すると11,000円~12,000円くらいです。
熟成年数について
輸入元は名古屋のラールアルコル合同会社です。
輸入元の説明をそのまま引用した販売店の解説には「20-30年熟成。同社のXOよりも長い熟成期間のコニャック。」とありますが、そもそもフランソワ ヴォワイエのXOにはいくつかラインナップがあります。
まずは、少し割安で若い
①「XO Grand Cru Francois Voyer Cognac」
そして今回購入した500mlの700ml版
②「François Voyer XO Gold Cognac」
最後にもう少し高価で長熟な
③「Francois Voyer XO Extra Old Grande Champagne Cognac」
と呼ばれるものです。
③Extraの方は不明ですが、1番目の①「XO Grand Cru Francois Voyer Cognac」は同じXOでもメーカー側の説明によると熟成年数が10~25年と明記されており、やや若めです。
→メーカー説明PDF
また、今回購入したXO GOLDの700ml版②「François Voyer XO Gold Cognac」の熟成年数はメーカー説明にも20~25年という表記が明確にあります。
→メーカー説明PDF
おそらく、輸入元の「20-30年熟成。同社のXOよりも長い熟成期間のコニャック。」という表記の「同社のXO」というのは若い10~25年熟成の①「XO Grand Cru Francois Voyer Cognac」の方を指しているものと思われますが、この表記だと「同じ②のXO GOLDでも世の中に出回っている物より長熟のものがブレンドされている」という認識にもなりかねないので、どのXOに対してより長い熟成期間のコニャックという意味なのか明記してほしい所です。
調べる限り同じXO GOLDであれば同じ熟成年数じゃないかコレ?
(間違っていたらすみません・・・)
箱が・・・
このフランソワヴォワイエXO GOLD、一応箱付きで購入できるのですが、その箱がコレ。
ん?めっちゃ750ml用の箱って書いてるやんけ(笑)どおりでスカスカなわけだ・・・。(どの販売店でもこの箱だったのですが)
何か色々不安があるコニャックです・・・。
フランソワヴォワイエXO GOLDのレビュー
さて、気を取り直して楽しくテイスティングタイム。果たしてフランソワヴォワイエXO GOLDの実力とは・・・
フランソワヴォワイエXO GOLDの香り立ち
まずキャラメルを味わった時のような甘い香り。その後、アールグレイティーのようなエレガントな香りが際立ちます。
鼻を近づけるにつれてユリの花から、最後にグレープフルーツとオレンジのような柑橘系の香りが広がります。
これは期待できる系の香りです。
フランソワヴォワイエXO GOLDの味わい
まず一口目に感じるのは圧倒的ピーチ感。白桃。
その後、程よい渋みを感じた後に、熟成によるバニラの風味が広がります。香り立ちも味わいも、加水を感じさせない作り手のこだわりが伝わります。
フランソワヴォワイエXO GOLDの余韻
余韻としてはかなり印象に残るほうで、柑橘系の香りを漂わせながら鼻を抜けていく香りがとても気持ちいいです。
20~30年熟成ということで、程よくランシオを感じる事ができます。
ランシオのお手本と名高いデュカイ トレ・ヴィエイユ・ボルドリと比べるとまだまだま若く少し粗さもありますが、それは熟成年数も倍くらい、価格も3倍くらい違うのでショウがありません。むしろその分今後のスペックに期待がかかるところです。
フランソワヴォワイエXO GOLDまとめ
コスパ良し!!
全体的に果実味あふれるフルーティー系のコニャックです。
同じくらいの熟成年数であれば、ポールジロー エクストラヴィユー25年やジャンフィユ エクストラヴィユー(25年)などが挙げられますが、個人的にはフランソワヴォワイエXO GOLDの方が味わいの変化やフルーティーさを感じることができるので、おすすめかもしれません。余韻もコチラの方が印象深いです。
700mlボトルがおよそ132ユーロくらいで取引されているので、もし700mlボトルが出ると1万6千円を超える価格帯になりそうですが、同じXOとして選ぶのであればコスパ的にもヘネシーXO買うより断然フランソワヴォワイエXO GOLDですね。そういう意味では500mlボトルで少し価格を抑えてくれた方が皆さん楽しめると思うので、このままで良いのかも。
輸入元説明や化粧箱から色々と不安を感じることはありましたが、結果的にはなかなか高評価のおすすめコニャックとなりました。
なかなか良いですよフランソワヴォワイエXO GOLD。おすすめです。