今回は現在入手可能なボルドリ(Borderies)産100%のコニャックをまとめたいと思います。
なぜか?
そのアロマと和やらかさからに惹かれ、単純に私はボルドリ産コニャックが好きなのです。そしてBrandy Daddyを見て下さっている皆様にもぜひ手にとってもらったり、バーで飲んでみてほしいからです。
豆知識:ボルドリ(Borderies)とは?
ブランデーを代表するフランスのお酒「コニャック」はエリアによって6つの生産域に分けられます。その中でも最も小さいエリアがボルドリです。粘土質と石灰岩が混ざったような土壌ですが、細かく言うと石灰層が分解(脱炭酸化)されたフリント質の土壌が広がっています。
ボルドリ地区からできるコニャックは一般的にスミレ(西洋スミレ)やスイセン、ユリなどのアロマが感じられ、まろやかでやわらかいのが特徴。グランド・シャンパーニュやプティット・シャンパーニュと比べて短い熟成期間であっても上質で素晴らしいコニャックができると言われています。
コニャックの生産域に関して詳細はコチラのコニャック製法まとめ記事をご参照下さい。
掲載の条件
- 国内で流通しているもの
- 現行品(ヤフオクなどで流通している古酒は除く)
- メインはネットでも入手可能なもの
ボルドリ100%のコニャックは数こそ少ないものの、国内にもいくつか存在します。その中でも2020年6月現在で主にネット経由でも入手可能なボルドリ産コニャックをまとめました。
限定品だったり、既に生産終了していてる古酒だったり、ヤフオクとかでしか見つけられないものは除外しています。あくまでも現行品がメインです。
また「ボルドリ比率が多い」コニャックではなく、「ボルドリ100%」のコニャックのみに絞っています。
また掲載順は価格が安い順に掲載しています。それでは見て参りましょう!
ボルドリ100%コニャック一覧(価格安い順)
オルドノーVSOP
ボルドリ地区で兄弟で経営しているプロプリエテールコニャック。オルドノー(Ordonneau)兄弟が丹精込めて作るコニャックのVSOPレンジです。
熟成年数:10~15年の原酒をブレンド。
参考記事
→兄弟が手掛けるコニャック「ORDONNEAU(オルドノー)」訪問
カミュ ボルドリ VSOP
ボルドリを多く使ったコニャックでも有名なカミュ社より、ボルドリ100%コニャックのVSOPレンジ。
オルドノーエクストラ
同じくオルドノーより、エクストラ。
熟成年数:15~20年の原酒をブレンド。
参考記事
→兄弟が手掛けるコニャック「ORDONNEAU(オルドノー)」訪問
なお、2020年6月現在あまり見かけなくなってしまいましたが、オルドノーコニャックのフラッグシップはオルドノー トレヴィエイユ レゼルヴ ボルドリ(熟成年数25~35年)です。
もし見かけたら是非チェックを^^
参考記事
→オルドノー トレヴィエイユ レゼルヴ ボルドリのレビュー・感想
コニャック パーク ボルドリ ミズナラ
Cognac Parkが持つボルドリの自社畑から作ったコニャックを日本産ミズナラ新樽でフィニッシュさせたコニャック。
熟成年数:4年熟成+ミズナラ新樽6ヶ月フィニッシュ
こちらはボルドリ感を味わうというよりもミズナラの風味を楽しむ要素の方が大きいです。
参考記事
→なぜミズナラコニャックは生まれたのか?
コニャックパーク ボルドリ
同じくコニャック パークより。こちらはミズナラフィニッシュではない通常のボルドリ100%コニャック。
熟成年数:8~12年の原酒をブレンド
※2020年6月上旬現在は在庫切れですが6月中旬には再入荷されるそうです
コニャック パーク ボルドリ ミズナラ 10年
先ほどのコニャックパーク ボルドリ ミズナラを更に熟成させたもの。リムーザンオークでの熟成期間と併せて、ミズナラでのフィニッシュ期間も6ヶ月→9ヶ月に伸びています。
コニャックとミズナラの風味がうまくバランスされ、ウイスキー好きにもおすすめしたいコニャックです。
こちらもボルドリ感を味わうというよりも、コニャックとミズナラの組み合わせを楽しむ要素の方が大きいです。
熟成年数:10年熟成+ミズナラ新樽9ヶ月フィニッシュ
カミュ ボルドリ XO
カミュが出しているボルドリ100%シリーズより、こちらはXOレンジとなります。
まるで紅茶を飲んでいるかのように優雅な味わいを楽しむことができます。風呂上がりに飲みたいコニャックNo.1(笑)
参考記事
→ボルドリ産コニャック飲み比べ:その②カミュ ボルドリーXOの感想
バッシュ ガブリエルセン シングル カスク コニャック ボルドリー ロットNo.94
BACHE GABRIELSEN Single Cask Cognac Borderies Lot No.94
名前長い・・・。
我らがコニャックの師、鯉沼氏が仕入れたバッシュ ガブリエルセンのボルドリ100%コニャック。シングルカスクなので、1樽そのまんま。
無くなり次第終了。ネットではリカーズハセガワに入ってたんですけど、2020年6月現在はもう在庫切れ。
今のところ他にネット通販で買える店舗が見つけられませんでした。どこかの実店舗にはまだあることを願います。
デュカイ トレ ヴィユー ボルドリ
この辺からは一気に価格が上がってきます。
こちらは「ランシオの教科書」と言わしめたデュカイが誇るボルドリ100%コニャック。限定生産600本。
熟成年数:60年越え
デュカイ ボルドリ 1970 for D.Bespoke & SHINANOYA
信濃屋×BARのコラボボトル。2016年の「ASIA BEST BAR 50」でも上位に選ばれ、スペシャリスト達との垣根を超えたコラボレーションや、そのセンスとホスピタリティーで各国にも多くのファンを持つ、金高大輝氏が率いるシンガポールの名店D.Bespokeとのジョイントボトリング。
限定生産90本らしいですが、2020年6月時点でまだ在庫あり。
終売だけど最高のボルドリ コニャック達
ここからは既に終売となってしまって、もう入手しづらいけど間違いないボルドリ コニャックを一部紹介。価格帯はやや高めです。
ネットではなかなか見かけませんが、もしどこかの店で見かけたらラッキーですね!私が買い取りたいくらいです!
デュピュイ 1971 ボルドリ
現在はバッシュガブリエルセンによって再構されたブランドであるデュピュイ(DUPYUI)。
デュピュイはいくつかボルドリのヴィンテージコニャックを出していますが、個人的にはこの1971年ボルドリが至高の味わい。
私も自宅に1本あるけど、勿体なくてチビチビと飲んでおります。3年かけてやっと半分無くなりました(笑)
鯉沼商会の鯉沼安泰氏によるチョイス。
参考記事
→デュピュイ1971ボルドリの感想
デュピュイ シングルカスク/カスクストレングス ボルドリ Lot No.75 FOR THE BOW BAR & SHINANOYA
名前長い(笑)
こちらは先ほどと同じDUPUYですが、信濃屋とThe Bow Barのコラボボトル。
すぐ売り切れるやつ。信濃屋独占販売。
シャトーポーレ・トレ・ヴィユー・ボルドリ
もうこれ以上のボルドリコニャックは存在しないんじゃないか・・・
というくらい衝撃を受けたボルドリ コニャック。うますぎ。優勝。
参考記事
→コニャック「シャトーポーレ ボルドリ トレヴィエイユ」@銀座doux bar
デュカイ ル ランシオ ボルドリ
「あの時買っておけばよかった・・・」
と最高に後悔した一品。
自らランシオと名付けた「ランシオの教科書」の究極。
グロペラン No.48 ボルドリ
Grosperrin N°48 Borderies Cognac
これはもしかしたら国内では流通していなかったかもしれません。
貴重な原酒を見つけ、自社で熟成させるプロフェッショナル「Jean Grosperrin」より、貴重なボルドリ原酒です。
しかもNo48。つまり1948年の原酒!!!
実はコレとは別で、No.28ボルドリとかいう超絶激レア ボルドリ コニャックも存在します。(これは飲んだことないけど)
おすすめボルドリコニャックは?
圧倒的にシャトーポーレ!
と、いきたいところですが現在はほとんど流通していないので現実的ではありませんね・・・。
価格+入手のしやすさから考えると、やはりカミュ ボルドリVSOPあたりからボルドリコニャックを始めてみるのも良いかと思います。予算に余裕のある方は是非カミュ ボルドリXOの方を。
普段ウイスキーをメインに楽しむウイスキーファン好きの方には是非コニャック パーク ボルドリ ミズナラ10年をおすすめしたい所ですね!
いずれにせよ、ボルドリ100%のコニャックというのは存在そのものがなかなか希少で、好みはどうあれそれだけでも飲んでみる価値のあるコニャックだと思います。
お店やバーなどでもし見かけた際は是非トライしてみてください^^
あと、この記事以外におすすめのボルドリ産100%コニャックがあったら是非教えて頂けると嬉しいです!